freee専門税理士の土橋です！
今日は前に書いた取引登録結果のチェックとは何をすれば良いか？の各論として売掛金について書きたいと思います。
以前のブログをお読みいただいていない方は是非そちらを先にお読みくださいね！
まずは復習です。
取引登録結果のチェックとは、試算表の各勘定科目が正常な状態かを確認することでした。
そして、正常とは①・②のどちらかの状態のことを意味します。
①正解と一致している状態
②こうなっているはず！という理論値を自分で計算し、その理論値と一致している状態。
①・②のどちらになるのかは勘定科目により決まる。
売掛金は②に分類されるため、チェックのためには理論値を自分で計算する必要があります。
売掛金とは？
まずは売掛金とは何か？について確認しましょう。
物を売った、サービスの提供が完了した、この時点で売上を登録します。
売上の登録時点で代金がもらえる場合には「現金」口座で売上登録しますが、請求書を発行して後日振込で代金をもらうケースがあります(いわゆる「掛け売り」)。
この場合、代金をもらうまでの期間をつなぐのが「売掛金」になります。お金をもらう権利とイメージしてみてください。
ちなみに、登録した覚えがないのに売掛金がある…という方もいらっしゃるかもしれません。
この場合、freeeで請求書を発行しているケースが多いです。
請求書を発行すると請求額見合いの売掛金が自動的に登録されます。
請求書を発行していない場合は間違って登録した可能性が高いです。
正常な状態
正常な状態とは？
理論値と一致している
理論値とは？
仮に12月末の理論値を考えてみましょう！
12月末の理論値は1月から12月の間に売り上げた金額の内、翌年1月以降に入金される金額の合計になります。
異常な状態の対処方法
Step1
取引先タグを展開して取引先毎に理論値との一致をチェックします。
具体的には、試算表の①貸借対照表を選択、②「売掛金」をクリック、③「取引先別」をクリック、④理論値と不一致の取引先を特定していきます。
Step2
①ずれのある取引先の残高をクリック、②総勘定元帳が立ち上がるので内容を調査していきます。
(参考)総勘定元帳の見方
ここで総勘定元帳の見方を実際の画面で確認しておきましょう。
売上を登録すると①の借方金額に金額が入ります。
このケースでは、2月1日に依頼されたサービスが終わったので49,895円の売上を登録したことを意味しています。
実際にはfreeeで請求書を発行しており、その結果①の金額が登録されています。請求書の振込期日は2月26日になっています。
売掛金の入金を登録すると②の貸方金額に金額が入ります。
この場合、先の請求書に基づき予定通り2月26日に入金されたことを意味しています。
残高はそれぞれの時点で売掛金がいくら残っているのかを意味しています。
このケースの場合、③1月末残高＋①2月売上－②2月入金＝④2月末残高という関係が成立します。
Step3
総勘定元帳の異常点を特定します。
借方金額(売上)には振込期日が来ていないものを除き、必ず対応する貸方金額(入金)が出てきます。
更に、貸方金額は通常お客様と約束した支払条件近辺で出てくるはずです。
仮にその月の売上を月末に頂戴する約束になっているのであれば、1月の売上は1月末に入金され、2月の売上は2月末に入金されます。
この関係が崩れている点が修正すべき異常点になります。
上の例では赤の囲み同士、緑の囲み同士がそれぞれ対応しています。
典型的なミスパターンと対処方法
請求書で売上を登録したら代金の入金は自動で経理で未決済取引の消込とするのが正しい処理です。
この代金の入金も売上として登録してしまうと売上が重複してしまいます…
この場合の対処方法は以下の通りです。
自動で経理の取引登録を解除、口座の明細が「未処理」に戻るので、未決済取引の消込で対応する請求書を指定して登録します。
具体的な操作は以下のヘルプをご参照ください。
・未決済の取引を登録する・消し込む(売掛金・買掛金など) 後半の「口座に取得した明細から決済登録を行う（自動で経理）」部分
まとめ
freeeの請求書を利用されている方は売掛金のチェックが必要になります。
売掛金の残高が理論値と一致しているか是非確認してみてくださいね！
実は売掛金が異常な場合、売上高が間違っている可能性が高いです。
これは、以前の損益計算書と貸借対照表の関係で「仕訳」が損益計算書と貸借対照表の組み合わせになることが多いと書きましたが、売掛金は売上高とセットになることが多いためです。
復習ですが、売上高の間違いは税金の間違いに直結します。
売上と税金の関係について？？？という方は以前の記事をご確認いただければと思います。
理論値と照合してあれ？という方は今気づいてラッキーと考えてくださいね！まだ間に合います！
面倒かもしれませんが紹介したStepでチェック・修正してみましょう。
