freee会計士の土橋です。
長かったクレジットカードのチェックのお話しも大詰め。
今日は最後の開始残高の設定のお話しをしていきましょう。
このお話しは今年開業して、開業後に事業専用のクレジットカードを作った方には関係ありません。
昨年以前に開業して事業専用のクレジットカードを使ってきた方のみ対象になります。
更に、昨年以前は弥生会計とか別の会計ソフトを使っていた場合ですね。
なぜ開始残高が問題になるか
開始残高とは今年を2022年とした場合、2021年12月末の利用済み未引き落とし残になります。
2022年8月末で考えた場合、試算表の2022年8月期末の残高は以下の計算式で計算されます。
2021年12月末の利用済み未引き落とし残+2022年1月から8月の利用額-2022年1月から8月の引き落とし額
このように、計算式に2021年12月末の利用済み未引き落とし残が必要になるため、2021年12月末の利用済み未引き落とし残がfreeeに正しく登録されていないと2022年8月期末の残高は正しく計算されません。
パターン別の対処方法
2021年12月末の利用済み未引き落とし残が2021年12月末の試算表でどのようになっているかで対処方法が変わります。
未払金など事業主借以外の勘定科目になっている
仮に未払金になっているとしましょう。
まずはその未払金が2021年12月末の利用済み未引き落とし残になっていることを確認しましょう。
こちらは使っているカードの締日、支払日から理論値を計算することができます。
計算の考え方はこちらをご参照ください。
理論値と一致している場合は次のステップに進みます。
もし違う場合は原因を調べましょう。
もし、ここで経費の誤りを見つけた場合には残念ながら2021年の確定申告書の修正が必要になる可能性があります。
フリーランスのお悩み相談室 確定申告した後に間違いを見つけたらどうする?
理論値と合わない場合は、自分で強引になんとかしようとせずにこちらから個別コンサルティングを是非ご利用ください。
はっきり言ってそんなに簡単に解決する話ではありません。
理論値と一致している場合は以下の手順で開始残高の設定を確認していきましょう。
①設定⇒②開始残高の設定
前期末の決算書を利用して開始残高を設定をクリック。
クレジットカードの部分が2021年12月末の利用済み未引き落とし残になっているか確認しましょう。
そうなっていなかった場合には修正してください。
修正したらチェックして欲しいのが以下の点。
借方合計と貸方合計が合わない場合は元入金を調整しましょう。
事業主借で処理している
この場合は1月1日で以下の取引を登録します。
仮に、2021年12月31日時点のクレジットカードの利用済み未引き落とし残を100,000円としましょう。
この場合、以下の取引を登録します。
①支出、②対象のクレジットカード、③発生日は1月1日、④勘定科目は事業主貸、⑤金額は100,000円、これで⑥支出を登録します。
ちなみに、こちらが⑦型なのでそのまま覚えてしまってください。
まとめ
今日は異常値を生む最後の原因、開始残高が理論値とのズレを生む理由と対処方法についてお話ししました。
前回までにお話ししたクレジットカードのチェックについては以下の通り。
本気で自分一人で正しい確定申告をしたい方向けの経理講座 登録後の見直し クレジットカード①
本気で自分一人で正しい確定申告をしたい方向けの経理講座 登録後の見直し クレジットカード②
本気で自分一人で正しい確定申告をしたい方向けの経理講座 登録後の見直し クレジットカード③
本気で自分一人で正しい確定申告をしたい方向けの経理講座 登録後の見直し クレジットカード④
この機会に是非復習してみてください!