取引登録結果のチェック 経費(減価償却費以外)

freee専門税理士の土橋です!

今日は前に書いた取引登録結果のチェックとは何をすれば良いか?の各論として経費 について書きたいと思います。

経費の内、減価償却費は別の記事で説明しますのでこの記事では省略します。

以前のブログをお読みいただいていない方は是非そちらを先にお読みくださいね!

まずは復習です。

取引登録結果のチェックとは、試算表の各勘定科目が正常な状態かを確認することでした。

そして、正常とは①・②のどちらかの状態のことを意味します。

①正解と一致している状態

②こうなっているはず!という理論値を自分で計算し、その理論値と一致している状態。

①・②のどちらになるのかは勘定科目により決まる。

経費は旅費交通費や消耗品費といった複数の勘定科目の総称です。

①に分類される勘定科目と②に分類される勘定科目が含まれています。

経費の基礎

まずは経費とは何かを理解しましょう。

経費になるものは概ね以下のパターンに分類されます。

  • 事業年度(※)中に購入した物品で事業年度中に販売又は使用開始したもの
  • 事業年度中にサービスの提供が完了したもの。例えばセミナーの受講などが該当します。事業年度中に代金を支払っても未受講の場合は経費にならない点注意が必要です。

なお、お客さんに納品するサービスの一部を外注して作ってもらう場合のように、後々売上が立つ場合にはその売上が立つまで経費にならないというルールがあります(専門的には「費用収益対応の原則」と言ったりします)。

例えば、外注さんに100円でシステムを作ってもらってそれをお客さんに200円で販売する場合、この200円の売上と100円の経費(外注費)は同じ事業年度に入れなければなりません。

※個人の場合1月から12月、法人の場合は設立時に決めた決算月により違いますが、例えば3月決算であれば4月から翌年3月が事業年度になります。

正常な状態

金額・期間が正しい状態になっている。

金額

分類① それぞれの経費が請求書・領収証等の証拠書類と一致している
分類② 理論値を計算できるものは理論値と一致している

期間

分類①・②共通 事業年度の経費にできるもの(「経費の基礎」参照)のみが経費になっていること。

異常な状態の対処方法 パターン別

経費のパターン別にチェックし、異常があれば修正しましょう!

毎月定額の支払が1年間続くケース

代表的なものは家賃(勘定科目「地代家賃」)

定額×月数で理論値が計算できます。

例えば9月末時点で毎月1万円の経費をチェックしたい場合、残高は1万円×9か月の9万円と一致するはずです。

「支払手数料」のように毎月定額のものとそうでないものが混在する勘定科目の場合は、品目タグで毎月定額のものだけ分けておくとこの部分は理論値チェックができます。

例えば支払手数料に含まれるfreeeの利用料に品目タグ「freee」をつけておくとかですね。

スタンダードプラン以上の個人プランの方、法人プランの方は月次推移も役に立ちます。

月次推移は品目タグ毎に表示することもできます。

それ以外のケース

残念ながら地道にチェックしていくしかありません。

具体的には勘定科目毎に総勘定元帳を開き一つ一つ確認していきます。

基本的な操作は売上の場合と同じですのでそちらの記事を参考にしてみてください。

売上と違うのは、増える場合と減る場合が反対になるということ。

増える場合は借方金額、減る場合貸方金額に金額が入ります。

経費の場合は貸方金額に数字が入っていると誤っている可能性が高いです。

(共通)チェックを楽にするための工夫

「品目」タグの活用

毎月出てくるものには「品目」タグをつけておきましょう!
品目単位で金額を表示できるのでチェックしやすいです。

自動で経理から登録する

なるべくfreeeと同期した口座から自動で経理で取引登録しましょう。
ここでいう口座は預金口座の他、クレジットカード・Amazon・suicaといったもっと広い概念です。
金額・日付が修正できないので間違うリスクが減ります。

レシート類をスマホのカメラで取り込む

取引に添付することができるので見直しに便利です。
但し、結構めんどくさいので手入力のものだけとかにした方が効率的です。

(個人事業主の方のみ)家事按分を設定している場合の注意点

家事按分を登録する

毎月のチェック前に必ず「再計算」を押しましょう!

そうしないと対象となる勘定科目の金額が変わっても自動で再計算されません。

この操作の後、対象の勘定科目(品目)の残が総額×事業利用分になっているか確認しましょう!

まとめ

1年分をまとめてチェックするのはかなり辛いです。

なので、①取引を登録する時に間違いを予防する工夫と、②後で見直した時に間違いを発見しやすくする工夫をしておくと良いでしょう。

例えば、①は自動で経理の活用、②は「品目」タグの活用です。

使える方は②として「月次推移」も使ってみてください。

月毎に眺めてみると結構間違いを発見できますよ。