freee専門税理士の土橋です。
お恥ずかしながら私は知らなかったのですが、報酬から源泉所得税を引いた額で金額を契約することを手取契約と呼ぶようです。
例えばあるデザインを手取り10万円で契約する、こんな感じでしょうか?
この手取契約の場合、freeeにどのように登録すればいいのか考えてみたいと思います。
自動で経理から登録するパターンを考えてみましょう。
まず絶対ダメなのは、売上10万円として取引登録することです。
こうすると、売上の金額を間違ってしまうのと、天引きされている源泉所得税の金額を無視することになります。
それではどう登録すればいいのでしょうか?
手取り契約の場合、報酬総額-源泉所得税=10万円になっているはずです。
なので、報酬総額と源泉所得税の金額を取引先に教えてもらうのが一番正確でしょう。
一応、自分で計算することもできます。
ここで、仮に報酬総額をY、税率をxとすると、源泉所得税は報酬総額×税率で計算できるので、先ほどの式はY-X×Y=10万円となり、Y×(1-X)=10万円と変形できて、Y=10万円/(1-X)が最終形です。
更に、税率Xは仕事内容で率が決まっているのでその税率を式に当てはめれば報酬Yが計算できます。
税率は1回の報酬の支払いが100万円以下の場合、基本的には10.21%になります。
ただ、慣れない内は税務署に電話で教えてもらうようにしましょう。
先程の計算式は、税率10.21%だと100,000/(1-0.1021)となり、報酬総額は111,370円になります。
さらに、これに10.21%をかけて1円未満の端数を切り捨てると源泉所得税11,370円になります。
報酬総額111,370円-源泉所得税11,370円=100,000円
この計算の考え方は国税庁のホームページにも出ているので是非ご確認ください。
さて、これでようやく必要なパーツが揃いました。
freeeの取引登録を見てみましょう。
これが正しい登録パターンです。
売上高は報酬総額111,370円で入力し、源泉所得税はマイナス行を追加して事業主貸(品目:源泉所得税)11,370円で入力します。
この2行に分けるのがポイントです!
今日は手取契約の登録方法についてご説明しました。
・絶対に入金額をそのまま売上高として登録しない
・まずは報酬総額と源泉所得税の金額を入手又は計算して2行で取引登録する
是非この点にご注意ください。
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